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ファファラ精油物語 

鷺島広子 
第十五回


 

〇クラリセージ(学名:Salvia sclarea 科名:シソ科 抽出部位:全草)
ファファラ アロマケアカテゴリ―;リラックス

 数あるエッセンシャルオイルの中でも、クラリセージほど、好みやイメージ、香りの感じ方が、人それぞれ異なる香りはないのではないでしょうか?香りによるイメージ(香りを嗅いでいただき、そこから想像する風景や季節など)をそれぞれお話していただくと、ある方は、「季節は春、風景は砂浜」とお話されたかと思えば、またある方は「季節は秋、風景は枯葉に覆われた山」と、まるで異なる印象を持つのです。また、お好きな方は、ブレンドの中に必ずと言ってよいほどクラリセージを選ばれますが、そうではない方は、できるだけ避ける傾向にあります。また、同じ方でもご自身の身体の周期によって香りの好き嫌いの波がでやすい香りでもあります。クラリセージが持つ、ホルモン様作用の影響が大きいのかと思います。

 私自身もクラリセージの香りが好きでたまらない!という時期がありました。ベランダにもクラリセージの苗を植えて花が咲くのを楽しみにしていましたが、3年以上花が咲かず、やがて遅霜で残念ながら枯れてしまいました。その後、初夏のヨーロッパで花を咲かせているクラリセージを見たときの衝撃は忘れられません。自宅で植えていたものより3倍以上の大きさの葉っぱ、背丈も1メートルを優に超えて高く、花も大きかったからです。

よくよく観察すると、セージ特有の、葉の質感、花の形、色などパーツの共通項は多いなと感じます。ただ、何かが大きくコモンセージのそれと異なるなと感じます。

それが何なのか…?

 クラリセージの精油の作用の一つに、緊張しているもの、こわばっているものを解きほぐすこと、が挙げられます。これは、心の状態にも身体(筋肉や腱など)の状態にもあてはまります。そのため、何かに固執しているような心の状態、または、PMSで子宮まわりの筋肉が緊張しこわばりを持っている状態、極度な心身の緊張状態、などから“解き放つ”作用があります。この“解き放つ”作用に身を委ねたくもなりますが、時と場合によっては、それを拒絶したくなる場合もあるかもしれません。その違いが、この香りの印象のバラツキにも関係があるのかなと考えています。

 この様に人によって、時期によって、様々な印象を持たれるクラリセージをブレンドに用いる場合は、ご自身が感じるクラリセージのそれと同様な印象を持つ香りを選ばれるとよいかと思います。

 例えば、クラリセージの中のスパイシーさを感じた時。

ブラックペッパーやコリアンダーなど文字通りスパイス系の精油とグレープフルーツなど少し苦みのある柑橘とをブレンド。精神をリフレッシュさせて、リラックスしながら前に進む気力をもたらしてくれるでしょう。

 例えば、クラリセージの中に、華やかさを感じた時。

 こちらば、バラやジャスミンやネロリなど、花の豊かで華やかな香りを持つものがよく合います。気持ちが落ち込みがちな時、生殖器系のケアが必要な際におすすめです。こういうときの香りの持つ力を大いに感じるブレンドです。お好みで、シダーウッドなど大きな木の香りとの相性も良いかなと思います。

 また、心身の緊張がどうしても緩められずにつらいという時には、ラベンダーやベルガモット、マジョラムなどとのブレンドもおすすめ。ただし、緩み過ぎてしまう場合もあるので使用する濃度は薄めにして用いた方が良いでしょう。

 冒頭に述べた、コモンセージとの違いについて、コモンセージの方は、どちらかというと収縮方向にベクトルが向かっているのに対し、クラリセージは、拡張方向に向かい、緩ませて、流す様な作用があるようにも感じます。

 同じセージの仲間でもこうして作用や働きが異なるのも面白く、精油という植物の恵みの一つの形となったときに、その作用はより顕著なものになるなと改めて感じます。

 クラリセージはまるで恋をするかのように、一時的に夢中にさせるような作用がある気がします。実際に、催淫作用も認められています。ただ、恋する時代が過ぎ去ってしばらく忘れていたけれど、気が付けば恋をしていた頃とは別の作用で役立つこともあるかなと思います。PMS対策だけでなく、更年期のホットフラッシュやイライラ、不安感などにも効果的ともいわれます。ただし、作用だけでなく、いい香りだなと感じる時に使うのが効果的なことは、他の精油の場合と同じです。

 歳を重ねてから若かりし頃の恋を想い返し、心身の安らぎに繋がるような香り、というのはたとえが大人すぎるかもしれませんね。

 次回はブラックペッパーの予定です。どうぞお楽しみに!



 




クラリセージ


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鷺島広子(さぎしまひろこ)

ホリスティックアロマサロン H【a∫】(アッシュ) 主宰
葉っぱのうらがわ 代表
アロマ&ハーブセラピスト。

12年間会社員として大手メーカーに勤務。システムエンジニアとして主にコミュニケーションロボットなど人の感覚に関わるシステム開発に携わる。自らの経験から植物療法の有用性を強く感じ、また人から人へ直接伝えていける環境を求め、2006年にプライベートサロンを開設。同時に様々な植物療法に関わるモノづくりを行うメーカーとの関わりが増え、2013年より植物と人との関わりをテーマにした場づくりをメインに行う“葉っぱのうらがわ“を立ち上げる。アースデイ東京やフジロックなどの野外イベントでも確かな材料で暮らしに役立つアイテムを作るワークショップを多数実施。「さとやまハーバルライフ」、「ボタニカルヒーリング」など、植物を直接感じ、暮らしに役立てるフィールドワークを行う。
サロンでは植物の恵みを心身の美と健康に役立てる季節のスキンケア、セルフケアアドバイス、インド式ヘッドマッサージセラピスト養成などの講座を実施、葉っぱのうらがわでは商品のコーディネートやイベント企画を行っている。東京都の国分寺市にある「暮らしを耕すマーケット」で、ファファラをはじめとするアロマやハーブのブランドを取り扱い、セルフケアアドバイスと共に販売中。2019年11月よりファファラのカテゴリー別講座を担当。


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